messege from Nishiyama

 シリーズ「ゆんたんざ未来世」特別編集版
チビチリガマ慰霊祭、首相官邸前座り込み、県民大会までの記録。

「チビチリガマから日本国を問う!」

 昨年12 月末、読谷村会議員の知花昌一さんが「米兵ひき逃げ事件」に断固抗議!するため、容疑者がかくまわれている米陸軍通信施設トリイステーション前で4 日間におよぶハンガーストライキを敢行した。
 知花さんは度重なる凶悪な米軍犯罪や事件・事故、最近では2004年に起きた沖縄国際大学米軍ヘリ墜落の米軍による無法な処理事件、そして2007年沖縄戦の教科書改ざん問題、1996年から現在につづく辺野古新基地建設の策動など日米両政府による沖縄への屈辱的な政治対応に抗議し「屈辱的な日米地位協定を抜本的に改正せよ!」とする声明を発した。
 ひき逃げ犯の米兵がようやく起訴され身柄が引き渡されたが、これで事件が解決したわけではない。
 凶悪事件犯を逮捕できないという不平等な「日米地位協定」はそのままだからだ。

 知花昌一さんはこれまでチビチリガマ強制集団死を語り継ぎ、米軍楚辺通信所(象のオリ)奪還闘争の先頭に立ち、日本全国に向かって沖縄の心を表現、誇りある行動をしてきた。
 昨年、政権交代によって沖縄が抱える過重な基地負担がようやく全国民の関心事となり始めた。
 新政権が普天間基地の移設先を国外、最低限県外と約束したからだ。

 しかしアメリカとの交渉が行き詰ると、県内もありうるとして迷走を始めた。
県外移設という沖縄の期待を煽りながら迷走する新政権。危機感を募らせる沖縄の人々。期待していただけに沖縄の怒りは収まらない。
 2010年4月6日から4日間、読谷村在住の金城実(彫刻家)、知花昌一(村議)、知花盛康(農民)の3人が日本国総理官邸前で要請と抗議の座り込みを敢行した。呼びかけから僅か10日間という緊急行動にもかかわらず総理官邸前には延1200人の人々が集まった。
 数人の果敢な行動が人々の心を動かし、世の中を動かす場合がある。

 読谷村は沖縄戦で米軍が上陸した場所であり、住民が避難していたチビチリガマ(壕)で強制集団死が起きた場所でもある。
 彫刻家・金城実さんと知花昌一さんは1986年から翌年にかけて「チビチリガマ世代を結ぶ平和の像」を協働で製作し、強制集団死と平和の問題を共に考え行動してきた間柄である。

 私は1986年夏から読谷村に住み「世代を結ぶ平和の像」製作を取材、映画「ゆんたんざ沖縄」として発表した。
 23年後、私は再び読谷村を拠点にして、若い世代に時代を語り継ぐための記録映画「ゆんたんざ未来世」シリーズの製作を始めた。
 第一弾は昨秋完成した「知花昌一・沖縄読谷平和学」(94分)。第二弾は「金城実~恨(ハン)を解いて浄土を生きる」(仮題)を編集中でしたが、今回の座り込み行動で、急遽特別編集版「チビチリガマから日本国を問う!」を仕上げることにしました。

県内のたらい回しか、県外か。

 5月末にも予想される政府の結論が予断を許さない状況があり、今や問題は日本に駐留する外国の軍隊、日米安保条約そのものに関心が向けられ始めたからです。

 戦後65年間もの永きに亘り
 外国の軍隊が駐留する国が主権国家といえるのか。

沖縄はこの日本国の主権者意識を根源的に問うているのだ。

 地域社会にどっしりと根を張り沖縄の心を叫びつづける彫刻家・金城実さんと知花昌一さんを記録した映画の自主上映を全国各地に広く呼びかけたいと思います。
どうか友人・知人のみなさんに地域上映を呼びかけてください。上映運動で人と人がつながり、地域と沖縄がつながり、世代を結ぶ、そんな平和運動を呼びかけたいと思います。

西山正啓

西山 正啓(にしやままさひろ/記録映画作家)プロフィール
1977年 水俣病の記録映画作家・土本典昭の助監督として「不知火海巡海映画活動」に参加。
1978年~81年「わが街わが青春~石川さゆり水俣熱唱」(青林舎製作)「日本の若者は今」
(国際交流基金・グンヤフィルムプロ製作)「偲ぶ中野重治」(土本典昭・映画人有志製作)
「海とお月さまたち」撮影・瀬川順一(日本記録映画研究所)「水俣の図・物語」撮影・瀬川順一
(青林舎製作)「こんにちはアセアン」(グンヤフィルムプロ製作)~以上助監督作品 
1982年「みちことオーサ」記録社・庄幸司郎第一回プロデュース作品
1983年「知られざる世界」(日本テレビ)演出
1984年「もうひとつのライフスタイル」(東京ボランティアセンター企画)
1985年「信州ちくまの夏」(東京ボランティアセンター企画)
     「おもしろ学校のいち日~名取弘文の公開授業」(自主製作)
1987年「ゆんたんざ沖縄」撮影・大津幸四郎(シグロ第一回作品)
1989年「世なおし準公選~東京中野区の教育改革」(記録社・シグロ製作)
1990年「しがらきから吹いてくる風」撮影・一之瀬正史(シグロ製作)
1991年 NHK教育「明日の福祉~さわやかに山里の風が吹く」出演
1993年「水からの速達」記録社・庄幸司郎プロデュース(製作委員会)
      スライド「チェルノブイリ~いのちの大地」(チェルノブイリ連帯基金)
1995年 NHKETV特集「大量廃棄社会に未来はあるか」
      第一回「小さな国デンマークの大いなる挑戦」
      第二回「横浜・資源再生の現場から」
1998年「ボクのスケジュールがほしい~自閉症ヒロ君の世界」(NHKETV特集)
     「心の言葉を聴く~自閉症・大野城すばる園の試み」(NHKBS1列島スペシャル)
1999年「ベトナムに生まれて~枯葉剤を浴びた村から」(NHKBS1日曜スペシャル)
「いきいき体験隊バングラデシュを行く」(NHKBS1列島スペシャル)
2000年「原爆・公害を伝える旅~写真パネルでアジア交流」(NHKETV特集)
「韓国軍体育部隊サッカー部~徴兵制と若者たち」(NHKBS1韓国特集)
     「韓国闘牛物語」(NHKBS1韓国特集)
     「未来世を生きる~沖縄戦とチビチリガマ」(NHKETV2000・シリーズ太平洋戦争と日本人)
2001年「梅香里(メヒャンニ)」(梅香里・製作上映委員会作品)
2003年「朋の時間~母たちの季節」(朋の時間・製作委員会作品)
2004年「朋より友へ」二部構成66分(企画・横浜市栄区役所)
     「韓国・沖縄・日出生台/ぬちどぅ魂の声」(遊花ゆい工房)
     「松下竜一・日出生台2000~2004いのちきの思想」36分
     「韓国・沖縄・日出生台2000~2004命生き魂のうた」
2005年「ようこそ朋へ/いのちふれあう仲間」(遊花ゆい工房)
     「子どもたちへ水俣を伝える~ほっとはうすの交流授業」(NHK福祉ネットワーク5月23日放送29分)
     「訪問の家・物語~人は人のなかで生きて輝く」(遊花ゆい工房)
     「水俣 わが故郷~ほっとはうす流もやい直し」(遊花ゆい工房)
2006年「米軍再編 岩国の選択~岩国住民投票の記録」(遊花ゆい工房)
2007年「消えた鎮守の森~見えてきた沖合移設のからくり」(遊花ゆい工房)
     「はちのこ~とっておきの時間」(遊花ゆい工房)
2008年「貧者の一灯~子や孫たちに語りつぐ闘い」(遊花ゆい工房)
     「水俣と向きあう~記録映画作家・土本典昭の43年(NHKETV特集12月21日)
2009年「地域が学校・地元が先生」(山口県立大学・遊花ゆい工房)
     「ゆんたんざ未来世~知花昌一・沖縄読谷平和学」(遊花ゆい工房)
2010年「地域が学校~ムラの笑いマチの笑顔」(山口県立大学・遊花ゆい工房)
【著書】「おもしろ学校家外授業」(現代書館/共著)「ふたりの画家~丸木位里・俊の世界」(晶文社/共著/写真・本橋成一/聞き採り・西山正啓「しがらきから吹いてくる風」(リトルモア/共著)「アマチュア実践福祉録~こちらちくま」(現代書館/共著)「デコボコ映画館~粉雪まみれインタビュー集」(リトルモア/共著)1999年より福岡教育大学『共生社会論』講師

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